再生計画が認められた後に支払いできなくなったらどうなりますか?
再生計画が認められた後に支払いできなくなったらどうなりますか?
Q再生計画が認められましたが、その後に売上が減って返済が困難になりました。どういう方法が考えられるでしょうか?
A
再生計画の変更や債権者との個別交渉を試みるほか、自己破産を検討する場合もあります。
1 再生計画の変更とは
民事再生をする会社は、もともと経営状態がよくないので、一旦再生計画が認可されても、躓き石があると返済ができなくなるケースもあります。
そこで、民事再生法は、裁判所に申立てをして、やむを得ない事由で再生計画で定めた返済額や返済期間を変更することを認めています(民事再生法187条)。
これを再生計画の変更といい、債権者に不利に、つまり返済額を減らしたり返済期間を延ばす場合は、再生計画案を可決したときと同様、債権者の過半数の同意等が必要です。
また、やむを得ない場合という要件があるので、会社や依頼を受けた弁護士は、売上がどれくらい減って、それによりどの程度返済額を減らさなければならないか、売上が減った要因や今後の回復見込み等を証明する必要があります。
2 債権者と個別に交渉する方法もある
民事再生法が用意する方法以外に、個別に債権者と話し合いをして返済条件を変えることも可能ですので、大口の債権者と個別に折衝することもあります。
3 債権者は再生計画の変更や再生計画の取消の申立てができる
では、債権者側は再生計画どおり返済されなければ、どういう方法がとれるかというと、返済するよう督促する以外に、裁判所に再生計画を変更するよう申し立てたり、再生計画を取り消すよう申し立てることができます。
再生計画の変更は、債権者に有利に、民事再生する会社側に不利に変更することも可能ですし、再生計画が取り消されると、再生計画で減額された債務はもとの全額に戻り、一括請求できる状態になります。
4 どうしても返済できないなら、自己破産した方がよい可能性もある
今後も返済の目途が立たないなら、自己破産して事業をやめることを検討すべきケースもあります。
従業員の給料や取引先の未払いが増えると、迷惑がかかる関係者も増えてしまうからです。
この場合は、再生計画を廃止した後に、自己破産の申立てをするか、牽連破産としって、民事再生が廃止になると自動的に破産に移行する運用をする裁判所もあります。